音楽家の町、Rostock (ロストック)

デュッセルドルフから北東約590km、ハンブルグのさらに後方、車で約5時間半のところにRostockがあります。意外と知られていませんが、そこには何人もの日本人音楽家が在住しています。今回は、当サイトにもご登場いただいている、Rostockにお住まいのピアニスト、松下彩さんが特別に情報を提供してくださいました...:

 

ロストックはバルト海に面し、メクレンブルク=フォアポンメルン州に属する旧東ドイツの港湾都市です。人口は約20万人。

 

ロストックのメインストリート

央駅から路面電車で3駅行くと、ノイヤーマルクトに到着します。降りてすぐ目に付くピンクの建物が市庁舎です。市庁舎の向かい側に見えるれんが造りのゴシック建築の教会が聖マリエン教会です。1454年に現在と同じものが完成されました。教会内にある1474年に作られた天文時計が有名です。旧市街にも117メートルの高さを誇る聖ペトリ教会やコンサート会場として使用されていて1230年に建てられたニコライ教会があります。

 

市庁舎から西に延びる通りがメインストリートのクレペリーナ通りです。パステルカラーの建物や店が立ち並び、たくさんの人で活気にあふれています。またクリスマスマーケットの時期には市庁舎前の広場とこの通りにたくさんのお店がきて、大きな賑わいを見せます。クレペリーナ通りにはいくつもレストランがありますが、私がお勧めするレストランは"Hopfenkeller"です。

 

Hopfenkellerでは、港町ならではのおいしい魚料理を楽しむことができます。またマリエン教会の裏側にある小さなカフェもお勧めです。ここの売り上げは教会の寄付になるのですが、毎日違う種類の美味しい出来立てのケーキが用意されています。さらに、ここではケーキとコーヒーを各1ユーロで楽しむことができます。

クレペリーナ通りの途中にはバルト海沿岸で最も古いロストック大学が建っています。私の通うロストック音楽・演劇大学はノイヤーマルクトから東に下ったところ、St.Katharinenstift(徒歩5分)にあります。元は場所の名前の通り聖カタリーナ修道院でしたが、その後病院や老人ホームを経て2001年からロストック音楽・演劇大学の新学舎となりました。

 

修道院の面影が残るこの建物はとても雰囲気があり、学校の入り口を入ってすぐまっすぐに広がる廊下や校舎の中心にある中庭は私のお気に入りです。また入り口の廊下はギャラリーとして使用されており、時期ごとに変わる様々なアートを間近で見れることも楽しみの1つです。是非ロストックにお越しの際は、音楽大学も見学されてみてはいかがでしょうか。

 

ヴァルネミュンデ

中央駅から電車で20分のところにあるのが港町のヴァルネミュンデ。ロストックの港からクルーズ船で行くこともできます。ヴァルネミュンデはコペンハーゲンなどの北欧にフェリーで行くことができるロストック最大のリゾート地で、たくさんのレストランやブティックに露店、そしてホテルが並んでおり夏のビーチはたくさんの海水浴客で賑わっています。またヴァルネミュンデにある37メートルの灯台の上に行くとヴァルネミュンでを一望することができます。

 

ハンザ・セイル

ロストックの一大イベントが毎年夏に開催される「ハンザ・セイル」です。世界でも最も大きい船のイベントの1つとされていて、今年で23回目を迎えます(今年は8月8日から11日までの4日間)。ロストックとヴァルネミュンデの両方で開催され、毎年約10カ国から200隻以上の帆船と100万人以上の観光客で賑わいます。期間中は舞台でのパフォーマンスや花火など様々なイベントが開催され、音楽大学の裏の港には大観覧車も登場します。

 

情報&テキスト提供

ロストック在住ピアニスト、松下彩さん

Mar. 2013