Frankfurt フランクフルト 編
世界に名だたる金融とメッセの街、フランクフルトを取り上げないわけには行きますまい。
正直なところ、欧州大陸2位の大空港があるがゆえに、ストップオーバーで素通りされてしまうことも多い街です(涙)。
しかし、「国際モーターショー(IAA)」や「アンビエンテ(消費財見本市)」、「ISH(衛生設備・冷暖房・空調見本市)」などのために出張で来る人は大変多いですし、パック旅行の最終寄港地になることもしばしばです。
「観光資源が乏しい」などと言わず、普通の観光では飽き足らない方のために、ひと味違った町歩きの案内をさせていただきます。
1)ツァイル(Zeil): 繁華街
上の地図のちょうど真ん中辺りを、ほぼ東西に走っている目抜き通りで、歩行者天国になっています。ここは、ドイツで最もショッピング客の多い通りの一つ。
見所は、フランクフルトの中心である Hauptwache(ハウプトヴァッヘ)と Kaufhof(カウフホフ)というデパート(?)を境に、西側と東側とで歩いている人種や年齢層が目に見えて違うことでしょうか。行列のできるコーヒー屋さんはこちら。
更に西へ、旧オペラ座(Alte Oper)の方に向かうとフレスガス(Fressgass)というレストラン街になります。それとほぼ平行に南(マイン川側)を蛇行するのがゲーテ・シュトラーセ(Goethestraße)で、ブランド街です。
この辺りの賃料がフランクフルトで最も高く、月1−2万ユーロにも上ります。
最寄り駅: Alte Oper(U6-7)、Hauptwache(S1-9, U1-3, 6-7)、Konstablerwache(S1-9, U4-7)
2)ザクセンハウゼン(Sachsenhausen): 飲み屋街
フランクフルトの中心はマイン川(ライン川の支流)の北側ですが、昔ながらの飲み屋が集うザクセンハウゼンは川の南側になります。
ここで飲むべきはヘッセン州の名物「アプフェルヴァイン」(Appfelwein /リンゴ酒)。Schweizer Straße 沿いの老舗はともかく、深入りするとビールを置いていない店すら(←ビールを頼むと「何しに来たんだ!」と叱られます)。
東 側の(Localbahnhof 駅から北西方面)の Darmstädter Landstraße と Dreieichstraße の間の旧市街「アルト・ザクセンハウゼン」(Alt Sachsenhausen)は、石畳の雰囲気のよいエリアだったはずですが、かつての米兵、今は学生のたまり場ということで、スポーツバーや Hooters すらあるぐらい。
金曜日の夜の賑わい方は、新宿の歌舞伎町や渋谷のセンター街に勝るとも劣りません。
最寄り駅: Schweizer Platz(U1-3)、Frankfurt Süd(S3-6, U1-3)、Localbahnhof(S3-6)
3)ヴェストエンド(Westend): 金融街 & 高級住宅地
地図上、西側(左側)のエリアです。金融街ではありますが、高級住宅地でもあります。昔のロスチャイルド家のお屋敷跡であると言われるレストランがあったり、シナゴーグ(ユダヤ教の集会所)があったりします。老舗のカフェなども。
メッ セ会場からも徒歩圏内ですので、いいレストランがある通りを紹介しますと、Westend 駅を通る大通り Bockenheimer Landstraße の一つ南側を平行して走る Kettenhofweg や、それと交差する Feuerbachstraße になります。
最寄り駅: Alte Oper(U6-7)、Westend(U6-7)、Taunusanlage(S1-9)
4) ボルンハイム(Bornheim): 若者の街
かなり規模は小さくなりますが、地図の右上から北西に広がるエリアです。
Bergerstraße を中心に、ベジタリアン系のレストランなどカッコいい店が並びます。ベルリンの「ミッテ」ほどではありませんが、英語を耳にすることが多いのもこの辺りの特徴でしょう。
最寄り駅: Merianplatz(U4)、Höhenstraße(U4)
フランクフルトは人口70万人しかいない小さな街ですが、「分権国家」ドイツの中でも特に周辺都市の存在が大きく、いわゆる「都市圏」としては200−250万人をも有するのが特徴です。
たとえば、トルコ的雰囲気を味わいたければ、マイン川の向こう、南東のオッフェンバッハ(Offenbach)に行けばいいですし、カジノ&保養地&高級住宅街ならば北東に2−30分行ったバート・ホンブルク(Bad Homburg)があります。